icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻11号

1995年10月発行

特集 術後1週間の患者管理

Ⅳ.術後合併症の予防と対策

早期のイレウス

著者: 田中宣威1 恩田昌彦1 横山滋彦1

所属機関: 1日本医科大学第1外科

ページ範囲:P.386 - P.387

文献概要

 術後イレウスでは,麻痺性イレウス,単純性イレウス(主として癒着性イレウス),複雑性イレウス(絞扼性,腸重積,軸転不通症,内ヘルニア嵌頓など)のいずれもが発症しうるが,術後早期では癒着性イレウスが最も多くみられる.開腹術後には一時的に腸管運動の減弱,腸蠕動音の消失,排ガス停止がみられ腹部は膨満し,いわゆる生理的イレウスが出現する.術後の消化管運動の回復時期は臓器により異なるが,胃では術後3〜4時間,小腸で5〜7時間,右側結腸で24〜47時間,左側結腸で51〜59時間とされる1)
 したがって,術後少なくとも第2〜第3病日までは術後の腸管麻痺,すなわち生理的なイレウスがあると考えてよい.その後,腸管運動が回復してくるが,72時間を超えてさらに腸管運動の停止が持続したり,一度回復した腸管運動が再び減弱する場合はイレウスの併発を考慮する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら