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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻11号

1995年10月発行

特集 術後1週間の患者管理

Ⅳ.術後合併症の予防と対策

深部静脈血栓症・肺塞栓症

著者: 松本賢治1 白杉望1 納賀克彦1

所属機関: 1川崎市立川崎病院外科

ページ範囲:P.398 - P.399

文献概要

頻度と成因
 術後の深部静脈血栓症(deep vein thrombo-sis:DVT)は,DVTの誘因として約23%を占め最も頻度が高い1).成因として,(1)血管壁の変化,(2)血液性状の変化,(3)血流の変化(Virchow’s triad)が知られている.DVTはそれ自体生命予後は良好であるが,肺塞栓症(pulmonary embo-lism:PE)の成因となるため重視される.術後のPE発生率は約2%だが,早期発見を誤ると致命的となる.PEの成因は80%以上がDVTによるが,そのほかは悪性腫瘍(特に膵癌)や膠原病などに伴う血液凝固能異常に由来する.
 なお,下肢のDVTは腸骨静脈圧迫症候群のため左側に発生しやすいが1),逆にPEは中枢で圧迫を受けない右側のDVTに起因する例が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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