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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻11号

1995年10月発行

特集 術後1週間の患者管理

Ⅴ.術後管理に必要な基礎的知識

発熱対策

著者: 池井聰1 小川道雄2 島田信也1 並川和男1

所属機関: 1国立熊本病院外科・臨床研究部 2熊本大学医学部第2外科

ページ範囲:P.426 - P.427

文献概要

術後の生体反応としての発熱
 術後2〜3日間は体温の上昇が認められるが,これらの発熱は,これまで手術部位からの出血,滲出液,壊死物質などの吸収のための体温上昇であり,“吸収熱”と呼ばれてきた.最近になってサイトカインをはじめとする液性因子が発熱に関与することがわかってきて,術後の発熱のメカニズムも明らかになりつつある.
 手術侵襲の加えられた局所において,破壊された細胞,集積したマクロファージや好中球などの免疫担当細胞からサイトカインをはじめとする内因性発熱物質が産生され1),それが体温調節中枢に化学的に作用して発熱を起こすものとされている.これらの発熱は侵襲に対する生体反応であり,通常38℃くらいまでで,術後1日目をピークに経過とともに次第に低くなり,特に処置を施さなくても術後3〜4日で正常にもどるのが通常の経過である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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