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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻12号

1995年11月発行

文献概要

臨床外科交見室

ドクターカーと救急救命士

著者: 村上穆1

所属機関: 1国立水戸病院外科

ページ範囲:P.1496 - P.1496

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 わが国におけるDOA(来院時心肺停止状態)患者の救命率が欧米諸国に比べてきわめて低いことから,平成2年8月,厚生省の救急医療体制検討小委員会より「DOA患者を中心に緊急に取り組むべき方策について」という中間報告が,また自治省消防庁の救急業務研究会小委員会より「救命率向上のための方策について」という中間報告が出されたのを受けて,茨城県では茨城県救急医療対策協議会のなかに「茨城県DOA患者救命対策専門会議」を設けました.DOA患者の救命対策や施策の在り方について協議し,平成2年11月5日,『茨城県におけるDOA患者の救命率向上対策についての答申』が県知事あてに提出されました.このなかに「できる限り早い時期に試行可能な地域においてドクターカーモデル事業を導入すべきである」という一節があり,当時の渡辺 晃国立水戸病院長(現・名誉院長)が専門会議議長であったこともあって,平成3年1月16日より,国立水戸病院の医局を挙げての協力により,ドクターカーの試行運用が開始されました.
 事前調査では,水戸市消防本部管内における平成2年1月1日から7月31日までの7か月間のDOA患者は67名で,1週間後の生存者は3名,救命率はわずか4.5%でした.それがドクターカー試行運用後の平成3年には,1週間後の救命率が13.3%と飛躍的に改善され,ドクターカーの有用性が証明されました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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