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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻12号

1995年11月発行

文献概要

臨床外科交見室

研修医の指導に関する私見

著者: 並川和男1

所属機関: 1国立熊本病院外科

ページ範囲:P.1497 - P.1497

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 外科医として何とか一人前になるには最低10年は必要と考える.毎年,若い医師が研修医あるいはレジデントとしてわれわれの施設に派遣され,2〜3年の間研修を積み,さらに他の施設へと移っていく.この間,医師として最も大切な時期を教育するものとして非常に重大な責任を感じている.なぜならば,この時期に経験したこと,教えられたことが,のちの医師としての成長に大きな影響を及ぼすといっても過言ではないからである.
 すべての診療科についていえることであるが,特に外科系では手術を修得するのは一朝一夕でできることではない.長い年月をかけて先輩から厳しく叱咤されながら,手取り足取り少しずつ上達するもので,そこには昔から脈々と受け継がれてきた従弟制度にも似た教育があると思う.したがって,決められたカリキュラム以外に,日常生活を通じて種々雑多な教育が行われている.初心者はともすると手術の上達,諸検査技術の習熟のみに目が向いてしまい,医師として最も必要な人間形成のための修練がおざなりにされがちである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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