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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻13号

1995年12月発行

特集 外科医のための緩和ケア

緩和ケアにおける対症療法としての外科治療

著者: 松岡寿夫1

所属機関: 1国立西埼玉中央病院外科

ページ範囲:P.1569 - P.1574

文献概要

 癌患者に対する対症療法としての外科的治療も,ある条件が満たされれば癌性疼痛に対するモルヒネ剤と同様に苦痛を緩和し,患者のquality of life(QOL)を高めることができる.その条件とは,インフォームド・コンセント,手術の適応,時期,適切な手術法などである.まず病状について真実を知ったうえでの同意,自己決定が患者の人権を尊重するうえでも必要である.(1)消化管閉塞にはバイパス手術,人工肛門造設術,腸瘻,胃空腸吻合術,(2)黄疸に対してはPTCD,胆汁外瘻,内瘻造設術,(3)排尿障害に対しては腎瘻造設術,TUR,尿管皮膚瘻造設術,(4)出血・狭窄に対しては腫瘍摘出術,栓塞術,(5)脳圧亢進に対してはY-Pシャントなどが行われる.患者に病状を詳しく説明し,患者自身が手術を受けることを自ら決めることが大切である.手術後2週間ぐらいで退院でき,QOLの高められた3か月の生存期間があれば理想的な手術ということができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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