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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻4号

1995年04月発行

綜説・今月の臨床

手術侵襲の評価

著者: 小川道雄1

所属機関: 1熊本大学医学部第2外科

ページ範囲:P.511 - P.518

文献概要

Ⅰ.はじめに
 手術は生体に損傷を与える.この損傷には出血挫滅,阻血,機能障害など多くの病態が含まれる.ミクロのレベルでみれば,損傷は生体組織,細胞の破壊である.手術をはじめとして,外傷,熱傷ショックなどは生体に損傷を与えるが,これを広く侵襲,ないし生体への侵襲とよんでいる.一方生体は,侵襲に対して内部環境を回復して生き抜くための反応を起こす.その結果,呼吸,循環,代謝,内分泌,免疫など種々の機能に大きな変化が起こる.この生体の恒常性を保つための反応が生体反応である.
 生体反応が生体に負担を強いることを考えるとき,手術侵襲はできるだけ小さいことが望ましい.異なる術式があるとき,われわれは結果が同じなら,侵襲の小さいほうの術式を選択する.そこで,手術侵襲を客観的に定量することが求められる.本稿では,手術侵襲の評価について,その現状を展望してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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