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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻7号

1995年07月発行

特集 再発消化管癌を治療する

再発大腸癌の治療(1)

著者: 酒井靖夫1 畠山勝義1 岡本春彦1 滝井康公1 神田達夫1 須田武保1 塚田一博1 大和靖2 川上一岳3 武藤輝一4

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2新潟大学医学部第2外科 3日本歯科大学新潟歯学部外科 4新潟大学

ページ範囲:P.881 - P.887

文献概要

 筆者らは,大腸癌の生物学的特性から,再発癌に対しても外科的切除が最も有効な手段と考え,切除可能な限り第一選択としており,これに免疫化学療法や放射線療法を適宜組み合わせている.血行性再発である肝転移,肺転移に対する外科的切除は,5年生存率が各々35.7%,36.9%と良好であったが,切除後の再々発が問題となる.再々切除や動注などのさらなる工夫が必要である.局所再発は発見が遅れやすく,結腸では腹膜播種のため,直腸では骨盤腔内のびまん浸潤のため,切除率,とくに治癒切除率が低い.切除できた例では非切除例に比し良好な生存率を示すが,非治癒切除例および再々発に対して集学的治療を加える必要がある.現時点では,骨盤内局所再発への拡大切除の適応は,症例を慎重に選択すべきと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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