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カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・8
食道胃静脈瘤に対する腹腔鏡下経カテーテル的硬化塞栓療法
著者: 板東登志雄1 北野正剛1 吉田隆典1 首藤浩一郎1 御手洗義信1 小林迪夫1
所属機関: 1大分医科大学第1外科
ページ範囲:P.967 - P.972
文献購入ページに移動食道胃静脈瘤の治療における近年の内視鏡的硬化療法の進歩には目覚ましいものがあるが,いわゆる棍棒状ないし巨木型と称される巨大食道胃静脈瘤に対しては本法単独では難治であり,しばしば摘脾,血行郭清術施行後に硬化療法の併用が行われている.しかし,この併用療法は硬化療法開始までに術後2〜3週の回復期を要し,また手術により退縮した静脈瘤に対して静脈瘤内注入が不確実となりやすく,完全消失までに長期入院を要する欠点を有している.
これに対して,われわれは開腹下の胃大彎側の血行郭清および摘脾,小彎側での左胃動静脈の結紮に加え,左胃静脈からカテーテルを挿入,術中および術後早期より経カテーテル的に硬化療法を施行し(開腹下経カテーテル的硬化塞栓療法),治療効果および入院期間短縮の点で良好な結果を得てきた.さらに筆者らは,近年,消化器外科の分野で急速に発展してきたminimally invasive surgery1)の観点に立ち,腹腔鏡下経カテーテル的硬化塞栓療法2)を考案,施行しているので,その手技と成績について紹介する.
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