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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻8号

1995年08月発行

文献概要

特集 高齢者の外科—キュアとケア

高齢者肝胆膵癌に対する外科治療

著者: 古井純一郎1 藤岡ひかる1 東尚1 田島義証1 冨岡勉1 兼松隆之1

所属機関: 1長崎大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1007 - P.1011

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 高齢者の肝細胞癌,胆嚢癌および膵癌に対する手術の現状を,教室で経験した切除例を対象として検討した.手術は,肝細胞癌においては1区域以上の肝切除,胆嚢癌においては肝膵同時切除,膵癌においては膵全摘術や門脈合併切除を伴う膵頭十二指腸切除などの侵襲の高い手術術式が高齢者においても行われたが,高齢者群と非高齢者群との間で根治度,術後合併症発生率および手術直接死亡率に差はなく,術後の累積生存率も肝細胞癌と膵癌においては差はなかった.高齢者では,慎重な術前評価によって症例を選択し,適切な術前・術後管理のもとに積極的に根治性の高い手術を行えば,今後ますます増加すると考えられる高齢者の肝細胞癌,胆嚢癌および膵癌に対しても,治療成績の向上が期待できると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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