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特集 高齢者の外科—キュアとケア
高齢者急性腹症の診断と治療
著者: 磯谷正敏1 山口晃弘1
所属機関: 1大垣市民病院外科
ページ範囲:P.1013 - P.1017
文献購入ページに移動 過去23年間における,80歳以上の高齢者急性腹症394手術例を前期,後期に分け検討した.その結果,後期では人口の高齢化に伴い手術例が増加し,原因疾患の頻度はイレウス,胆道感染症,消化管穿孔,急性虫垂炎,腹部血管疾患の順であり,これらが90%以上を占めた.手術直接死亡率は,消化管穿孔,腹部血管疾患において高率で,前期に比べても成績の向上はなかった.手術直接死亡例の多くが来院時よりきわめて全身状態不良で,救命困難な疾患であったが,術式の選択,術後合併症の防止によって手術死亡を防ぐことができたのではないかと考えられる症例もあった.治療成績向上のためには,外科医相互の連帯と,外科医,麻酔科医,コメディカルらによる昼夜を問わないチーム医療が不可欠である.
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