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特集 高齢者の外科—キュアとケア
高齢者における術後管理のポイント
著者: 平田公一1
所属機関: 1札幌医科大学第1外科
ページ範囲:P.1031 - P.1036
文献購入ページに移動 高齢者の術後管理にあたっては,まず術前より存在する併存症の正確な診断,評価を行う必要がある.つぎに,手術侵襲の程度を判断し,重要臓器に生ずる負荷を想定して術直後からの管理対策,方針を,原則として決定しておくことが大切である.併存症については,専門医による診断に基づいて,あるいは患者さんの日常生活の応答能を聴取のうえ,あらかじめ麻酔医に報告すべきである.術後管理は,すでに術中から始まっていると考えられるからである.いったん生じた合併症については,重症化しないうちに治療すべきである.高齢者では,とくに無気肺とこれに合併する肺炎や心機能障害が多発することが知られており,とりわけこれらの問題について具体的に記述した.
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