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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻8号

1995年08月発行

私の工夫—手術・処置・手順・12

小切開による胆嚢摘出術

著者: 平井淳一1 白髭健朗1

所属機関: 1原尾島病院外科

ページ範囲:P.1042 - P.1042

文献概要

 腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LCと略)は,今や胆石症に対する標準的な手術術式として定着してきたといえる.しかし一方では,開腹による胆嚢摘出術も,LCからの開腹移行例あるいは何らかの理由でLCが不可能または不適当と判断された症例に対して行われている.このような症例に対し,われわれはLCの利点であるminimally inva—sive surgical techniqueを取り入れた,小切開による胆嚢摘出術を行っているので,その手術手技について述べる.
 麻酔は原則として脊椎麻酔を用いる.手術体位は頭高位で,30度の右側挙上位とし,術者は患者の左側に立つ.皮膚切開は腹部正中線と鎖骨中線との中間線で肋骨弓下縁から2cm離れた下方で3cmの縦切開とする.この切開線の直下にCalotの三角がある.筋膜,腹膜ともに3cmの縦切開で開腹する.なお,腹直筋は線維の方向に鈍的に裂く.腹膜,腹直筋後鞘を4針の結節縫合で皮膚に縫合して視野を良くする.開腹創より5.0×5.0×15.0cmのスポンジを3個腹腔内に挿入し,開創器を使わずに細い腸ベラでスポンジ上から十二指腸,横行結腸,大網を圧排するとCalotの三角が直視下に入ってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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