文献詳細
イラストレイテッドセミナー・17
文献概要
10.直腸前方剥離に移る.先に切開したダグラス窩の翻転部腹膜を2本のコッヘル鉗子で把持し,助手に挙上してもらう.白い綿のような後前立腺間隙にクーパー剪刀で入っていくと,やがて左右の精嚢(女性では腟後壁)が現われる.剥離の層が正しければ,直腸側にはDenonvil-liers筋膜が付着しているはずである.後前立腺間隙の両サイドは膀胱の側方靱帯につきあたり,それを強引に切離すると骨盤神経叢からの膀胱枝が損傷される.せっかくの自律神経温存術式も水の泡になってしまうので,できるだけクーパー剪刀を直腸壁に沿わせて剥離する.
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