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文献詳細

雑誌文献

臨床外科50巻9号

1995年09月発行

文献概要

特集 出血させない消化器癌手術

出血させない胃癌手術(2)

著者: 愛甲孝1 帆北修一1 夏越祥次1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1141 - P.1145

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 出血させないような胃癌の手術をするためには,手術手技の修練と胃の周辺脈管の走行や周囲臓器との位置関係,合流・分岐様式などの局所解剖を常に念頭におき,的確に操作を進めることにつきる.「人体は膜構造からなる」ことを理解し,各臓器間の層の剥離を正確に行えばまず出血することはない.胃癌に対する根治手術の原則は,重要血管のみを温存して,リンパ管や周囲のその他の組織を一括en blocに切除郭清することにある.そのためには血管を露出しつつ分枝を切離していかなければならないが,その郭清・切離操作にあたっては,膜構造を剥がすように進め,結果的に血管が露出されていくといった感じで行うことが出血させない最大のコツといえる.また,術中の偶発出血の多くは解剖学的変異に気づかずに引き起こす場合が多いので,どの部位で,どのような場合にどのような出血が起こりやすいかを理解することも重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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