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特集 乳房温存療法の適応と実際
乳房温存手術の適応と手技
著者: 福富隆志1
所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科
ページ範囲:P.39 - P.45
文献購入ページに移動 乳房温存療法はstage Ⅰ-Ⅱ乳癌に対して統計学的生存率に関して乳房切除術と同等であることは明らかである.現在5〜10%にみられる局所再発を減少させるために適応・治療両面から検討が続けられている.すなわち①術前の面像診断による乳管内進展範囲の把握,②乳管内進展巣の特性(悪性度,増殖能,薬剤感受性)の検討と照射後の癌細胞の変化の研究などである.さらに新しい分野として③術前化学療法の導入による腫瘤径の大きな症例(T≧3〜4cm)に対する適応の拡大,④非照射温存療法の可能性が積極的に検討されている.本稿では現在のわが国の乳房温存療法の適応,治療の実際,成績の現状と問題点を中心に当院の現状を含めて述べる.
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