文献詳細
臨床研究
肛門管を指標にした痔瘻に対する瘻孔造影
著者: 前田耕太郎1 丸田守人1 洪淳一2 山本修美2 橋本光正2 細田洋一郎2
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部消化器外科 2社会保険埼玉中央病院外科
ページ範囲:P.97 - P.100
文献概要
痔瘻,とくに複雑痔瘻や再発痔瘻に対する診断は,これまで視診,触診によるところが多く,術前に病変の拡がりを確実に診断し把握することはしばしば困難であった.これらの複雑な病態には,これまで2次口よりの瘻孔造影も行われてきたが,この方法では肛門管や直腸と複雑な瘻管の走行や原発口との関係を立体的に把握できないため,読影にしばしば困難を要していた.筆者らは,痔瘻の簡便な補助診断法として,これまで行われていた2次口よりの瘻孔造影に加え,肛門管,下部直腸を同時に造影することにより,瘻管の走行や原発口と肛門管,下部直腸との位置関係をより立体的に把握できる瘻孔造影を試みたので報告する.
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