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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻10号

1996年10月発行

特集 胃癌治療のup-to-date—機能温存手術と縮小手術

機能温存手術

下部食道括約筋(LES)温存胃全摘術

著者: 平井敏弘1 峠哲哉1

所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所腫瘍外科

ページ範囲:P.1263 - P.1268

文献概要

 下部食道括約筋を温存する胃全摘術(LES温存胃全摘術)の適応,具体的な術式,逆流性食道炎予防効果について述べた,病理組織学的検討により,LES温存胃全摘術の適応は,食道胃接合部より腫瘍口側縁までの距離が肉眼的リンパ節転移陰性例で2.0cm,陽性例で3.0cmある症例で,なおかつ肉眼的に明らかに漿膜浸潤のみられない症例と思われた.術式は簡便で迷走神経も食道も食道胃接合部で切離した.現在までに施行したLES温存胃全摘術のうち術後内視鏡を施行できた15症例,同時期のLES非温存胃全摘術の22例について内視鏡所見を比較すると,LES非温存胃全摘術では発赤を32%に,びらんもしくは潰瘍を18%に認めたが,LES温存胃全摘術ではそれぞれ13%,7%であり消化液逆流の程度が軽微であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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