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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻11号

1996年10月発行

特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理

Ⅱ.特殊な病態の術前患者管理 4.肝・胆道系

門脈圧亢進症

著者: 本原敏司1 奥芝俊一1 高橋利幸1 道家充1 奥芝知郎1 金谷聡一郎1 加藤紘之1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科

ページ範囲:P.352 - P.354

文献概要

はじめに
 門脈圧亢進症では80%以上の症例が肝硬変症を基礎疾患とする.そのため術前の肝機能障害の重症度および肝予備能の把握は,手術適応の決定や術中・術後管理に際して重要なポイントとなる.肝予備能評価としてはChildの肝障害度分類がよく用いられるが,プロトロンビン時間を加えたPugh分類のscoreも有用である.またICG停滞率(R15)や血漿消失率(KICG)も広く用いられている.術前内視鏡検査では,Red Color(RC)Sign陽性の食道胃静脈瘤は破裂の危険性が高いRisky Varicesと認識して緊急的処置も考慮しておく必要がある.一方,静脈瘤の背景にある門脈血行動態の正確な把握のためには,選択的上腸間膜動脈造影などの門脈相所見の検討が必須である.さらに静脈瘤内の血流方向と流速とを非侵襲的かつ迅速に判定し得る手段として,経内視鏡的マイクロバスキュラー・ドップラー血流計(EMDS)による血行動態の評価も有用である1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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