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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 術前ワークアップマニュアル—入院から手術当日までの患者管理 Ⅳ.術前一般検査—異常値の読みとその対策

肝機能の検査

著者: 渡邉千之1 石山賢1

所属機関: 1自衛隊中央病院外科

ページ範囲:P.441 - P.444

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はじめに
 肝臓の機能検査は,①肝臓疾患の種類や重症度を診断する,②手術の安全性や術後合併症の危険性を予測する,③肝臓手術で切除範囲を決定する,などを目的として行われる.すでに原疾患が診断され治療方針として手術療法が選択されている患者における術前肝機能検査は,主として生体が手術侵襲に耐えられるか否かを判定するために行われる.しかし,①肝臓は解毒排泄,糖代謝,蛋白合成,エネルギー代謝,網内系免疫能など多くの機能があることから検査値個々の結果はすべての肝機能を代表していない,②健常な肝臓は蛋白合成能で約3倍,ビリルビン処理能で約2倍,尿素合成能では約10倍の予備能を有しているなど検査値に表れるよりも手術侵襲に備える予備能は大きい,③手術の安全性は生体防御能と侵襲との相対関係で評価されなければならない,などの理由でその判定は非常に難しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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