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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻12号

1996年11月発行

文献概要

特集 外科医のためのペインクリニック

緊急処置を必要とする胸痛とその対応

著者: 安田慶秀1

所属機関: 1北海道大学医学部循環器外科

ページ範囲:P.1393 - P.1397

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 胸痛は胸部疾患に発生する共通した症状の1つで,痛覚神経圧迫または刺激により胸部に発生する疼痛である.胸部臓器疾患による痛みのほかに,腹部臓器の関連痛,放散痛も含まれる.胸部臓器による疼痛は胸壁や胸膜,肺,肋間神経,心臓,食道などの組織や臓器に関連したものがある.このうち心臓・大血管疾患の初発症状としての胸痛はとくに重要であり,迅速・的確に診断し治療を行うことが要求される.胸痛のうち緊急処置を必要とする疾患は狭心症,心筋梗塞,急性大動脈解離,大動脈瘤破裂や破裂切迫,肺塞栓症などがあり,これらは病態が重篤で発生頻度も高く,しばしば急死につながる.痛みの性質,強さ,持続時間を含めた病歴聴取,高血圧や血圧低下の有無からおおよその診断をつけ治療を開始しなければならないが,重症度と緊急度を正しく判断し,確定診断のための検査を優先すべきか,救急のための緊急処置を優先させるべきかを決定しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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