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臨床研究
消化器外科領域の中心静脈栄養患者におけるCAND-TECの有用性
著者: 寅田信博1 中村賢二郎1 黒木祥司1 田中雅夫1
所属機関: 1九州大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1477 - P.1481
文献購入ページに移動近年頻用される中心静脈栄養管理(以下,IVH)は,消化器外科領域の術前術後に寄与しているが,IVH下の原因不明の発熱にIVHルートを感染源とした深在性真菌感染症の関与が示唆されている1).深在性真菌感染症はその診断が困難であることに加え,ひとたび真菌性髄膜炎や真菌性眼内炎を惹起すると,意識障害や失明などの重篤な合併症を引き起こすことがあり2),その発生予防および早期診断・早期治療が望まれている.CAND—TECTM(RAMCO Labs, Inc.以下,C-T)は,抗Candida抗体を用いたLatex凝集反応で,簡便に深在性Candida感染症を診断できるといわれている3).しかし,その臨床的有用性はいまだ明らかでなく,検査の適応と結果の評価に関して一定の見解は得られていない4).
今回,われわれはIVH患者におけるC-T陽性率と陽性強度を追跡し,C-Tの有用性と限界について検索した.さらに,定期的なC-Tの施行によりIVH中の発熱や深在性Candida感染発症を事前に予測できるかを検討した.
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