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特集 大災害に対する外科医の備え
文献概要
阪神・淡路大震災では,多くの建物に被害がおよび,病院建築も例外ではなかった.しかし,病院建築の耐震性についてはすでに諸基準が整い,それらに準拠すれば,少なくとも倒壊に至る危険はない.さらに進んだ耐震性能を持つ建築手法も開発されている.一方,病院の機能を維持し,地域が期待する災害医療を提供できるかどうかは設備や医療機器等の耐震性が決め手となる.この点については,現在のところ,病院はさまざまな課題をかかえていると言えよう.固定方法や管理方法について検討を加えなければならない事項は多々ある.外科領域においては,救急処置や緊急手術にどのように対応するか,建築学と外科学の境界領域としての議論が待たれる.
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