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特集 甲状腺外科の新しい展開
超音波スクリーニング発見小腫瘤の取扱い
著者: 柄松章司1
所属機関: 1トヨタ記念病院内分泌外科
ページ範囲:P.143 - P.149
文献購入ページに移動 当科では1991年3月よりUSによる甲状腺検診を行っている.1995年2月までの4年間に延べ12,481人が検診を受診し,49人の甲状腺癌を含む1,733人に腫瘤を認め,そのうち2/3以上は1cm以下であった.内訳は1cm以下の嚢胞726人,0.5 cm以下の充実性腫瘤374人,1 cm以下の癌27人がみつかった.USの普及によって小さな甲状腺腫瘤が続々とみつかるようになったが,1cm以下の腫瘤はほとんどが治療対象とならない.嚢胞,腺腫,腺腫様甲状腺腫は穿刺細胞診をすることなく,USのみで1〜2年に一度の経過観察でよい.癌であっても被膜浸潤や転移リンパ節を触知しなければ,1cmを超えるまでは半年ごとの経過観察でよいと考える.
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