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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻2号

1996年02月発行

文献概要

特集 甲状腺外科の新しい展開

良性腫瘍と腺腫様甲状腺腫の診療

著者: 高見博1 福成信博2 三村孝3

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科 2JR東京病院外科 3伊藤病院

ページ範囲:P.159 - P.164

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 良性腫瘍は濾胞腺腫と腺腫様甲状腺腫とに分かれ,前者は腫瘍が単発で境界明瞭であり,後者は結節が多発性で,嚢胞などの退行性変化,結節内の出血,壊死,石灰化などがみられる.そのなかで,1個の結節が大きく,周囲がびまん性に腫大しているものを腺腫様結節という.これらの診断は触診に加え,超音波検査,穿刺吸引細胞診で大体決定される.Ⅰシンチグラムは機能性甲状腺腫以外では診断的価値は少ない.橋本病(慢性甲状腺炎),急性・亜急性甲状腺炎,バセドウ病などとの鑑別も必要である.橋本病,あるいは橋本病が合併しているときには,抗Tg抗体の高感度RIAの測定がきわめて有用である.手術は,良性であるためTSH抑制療法をまず試みて,腫瘤の大きいもの,癌が考えられるもの,周囲臓器に圧迫・浸潤しているもの,などが切除の適応となる.術式では,例え大きくても甲状腺全摘はできるだけ避けたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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