icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻2号

1996年02月発行

文献概要

特集 甲状腺外科の新しい展開

甲状腺進行癌における隣接臓器合併切除

著者: 中尾量保1 黒住和史1 仲原正明1 萩野信夫1

所属機関: 1大阪警察病院外科

ページ範囲:P.179 - P.184

文献購入ページに移動
 甲状腺進行癌,とくに分化癌の局所進展においては,浸潤臓器の合併切除を要することが稀ではない.しかし,一般に分化癌の予後は良好であるので,他臓器浸潤といえども合併切除を施行する際には,局所根治性を得ると同時にQOL(quality of life)を良好に保つ配慮が重要である.甲状腺癌において合併切除を要する重要臓器は,気管,食道,血管(総頸動脈,内頸静脈)などである.これらの臓器を合併切除するにあたっての基本的な考え方,方法などについて述べた.また,QOLの面からみて可及的に温存すべき臓器は上皮小体,反回神経,喉頭などであり,今後はこれら臓器を温存できない場合の移植や再建についても考慮する必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?