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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻2号

1996年02月発行

文献概要

特集 甲状腺外科の新しい展開

悪性リンパ腫と未分化癌の臨床

著者: 三村孝1 杉野公則1 伊藤國彦1

所属機関: 1伊藤病院

ページ範囲:P.187 - P.192

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 経過が長く,予後良好な悪性甲状腺腫瘍のなかにあって,発育が早く,予後の悪いのが悪性リンパ腫と未分化癌である.1980年代のはじめまで,未分化癌は小細胞癌と巨細胞癌とに分けられていたが,その後,小細胞癌のほとんどは悪性リンパ腫であることが明らかとなった.未分化癌は上皮性の腫瘍であり,悪性リンパ腫は非上皮性の腫瘍である.臨床像も異なる.ここでは,悪性リンパ腫と未分化癌の診断と治療について別々に記述する.甲状腺に原発する悪性リンパ腫は,他の節外性(extra nodal)のものに比べると比較的予後良好である.化学療法,放射線治療によく反応する.これに対し未分化癌は,いかなる治療にも抵抗性で,生命予後がきわめて悪い.両者の甲状腺悪性腫瘍のなかに占める比率を表1に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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