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臨床報告・1
先天性多発性肝内胆管拡張症(Caroli病)の1例
著者: 渡邉至1 三井一浩2 山口正人1 実方一典1 佐藤明3 寺薗公雄4 渡部信之4
所属機関: 1NTT東北病院外科 2東北大学医学部第2外科 3NTT東北病院内科 4NTT東北病院放射線科
ページ範囲:P.223 - P.228
文献購入ページに移動Caroli病は肝内末梢胆管枝の嚢胞状の拡張が多発性に認められる先天性の胆道系疾患であり,この嚢胞と胆管系に細菌性の胆管炎を伴って重篤化する.1958年より1978年にわたるCaroliら1,2)の数回の報告以来こう呼ばれるが,以後,欧米では140余例3,4),本邦では30余例5-7)の報告がある.稀な疾患であることもあって,その定義,病態の詳細は未だ不明確な点も少なくない7).
今回,成人例において肝内嚢胞内および総胆管に結石症を伴った本症を経験した.症例の経過と画像所見を中心に報告するとともに,Caroli病あるいはCaroli症候群の定義づけなどについて文献を参照して若干の考察を加える.
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