文献詳細
シリーズ 早期癌を見直す・2 早期大腸癌・5
早期大腸癌診断の最前線—④MRI
著者: 今井裕1 樋口順也1 湯浅祐二1 平松京一1 渡辺昌彦2 寺本龍生2 北島政樹2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線科 2慶應義塾大学医学部外科
ページ範囲:P.343 - P.349
文献概要
MRI検査は近年の装置の進歩により,今まであまり検査の対象ではなかった腹部領域にも次第に応用されるようになった.しかし,消化管の診断には,他の腹部臓器に比べて呼吸や蠕動などの動きの影響が大きく,さらに早期癌の診断には空間分解能のきわめて高い画像が要求される.したがって,短い撮像時間で空間分解能の高い画像を撮影するという2つの相反する要求を満たさなければならないところにMRIによる消化管診断の困難性がある.
本稿では大腸癌に対するMRIの撮像方法,正常腸管壁の描出や癌の所見,さらに現状での成績や問題点について概説する.
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