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臨床報告・1
消化管手術後,経口摂取開始早期に発症したWernioke脳症の2症例
著者: 志方えりさ1 塩澤友規1 田村正人1 亀井聡1 水谷智彦1 高須俊明1
所属機関: 1日本大学医学部神経内科
ページ範囲:P.393 - P.398
文献購入ページに移動Wernicke脳症はビタミンB1の欠乏によって起こる病態であり,慢性アルコール中毒患者にて起こりやすいと言われている.しかし,アルコール中毒患者以外に起こるWernicke脳症も報告されており,本症は急性発症の意識障害・眼球運動障害を起こす主要な疾患の一つである.過去2年間に,われわれは5症例のWernicke脳症を経験し,1例は慢性アルコール中毒患者,4例は非アルコール性患者であった.後者のうち,2例が消化管手術後,経口摂取を開始後というWer-nicke脳症の起こりにくいと思われる時期に発症した点が特徴であった.この2症例1,2)は,消化管手術の術後などの栄養状態が低下した時期における栄養管理の重要性を再認識させる症例であると思われ,考察を加え報告する.
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