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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 術後感染症—予防と治療の実際

予防的抗菌剤投与の実際

著者: 岩井重富1

所属機関: 1日本大学医学部第3外科

ページ範囲:P.419 - P.423

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 一般外科領域での術後感染症は創感染が最も多く,次に尿路,呼吸器,腹腔内感染,菌血症,胆道感染の順位である.手術は無菌,準無菌および汚染手術に分けられ,汚染手術の予防抗菌剤投与では治療の目的も含まれる.準無菌手術に対しては,食道癌手術・胃全摘術では好気性グラム陰性桿菌および嫌気性菌を意識して選択する.胃切および上部腸管の手術では好気性菌を考慮する.下部腸管手術では,嫌気・好気グラム陰性桿菌を考慮する.胆道系ではグラム陰性桿菌に広い抗菌スペクトルを有し,移行のよいものを選択する.消化管穿孔性腹膜炎でも,胃・十二指腸潰瘍穿孔例にはペニシリン系,セフェム第一世代を選ぶ.下部腸管の穿孔では好気・嫌気性菌を考慮する.穿孔性虫垂炎ではP.aeruginosaの術後創感染に十分に注意する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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