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特集 術後感染症—予防と治療の実際
文献概要
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)および真菌感染症は,術前より感染症の合併に対し抗菌剤が前投与されていたり,大手術のため長期間カテーテルを静脈内に留置し,経口食を中断せざるを得なかった症例に散見される.血液培養でMRSAや真菌が証明されれば,治療すべき感染症と診断は確定するが,尿や喀痰より検出された場合,抗菌剤を投与して治療すべき感染症かどうか迷うことが多く,治療の要非は慎重に検討されなければならない.術後早期離床,経口食・経管栄養を用いてのbacterial translocationの予防,最小量にして最大の効果が期待できる術後感染予防抗菌剤の選択,用法の検討などが重要である.
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