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特集 術後感染症—予防と治療の実際
文献概要
近年の外科手術手技や術後管理の進歩にもかかわらず,術後肺炎は重症化しやすく致命率も高い.消化器外科領域では,無期肺や胃切除後の誤嚥性肺炎はとくに注意を要する.喀痰培養でP.aeruginosaおよびMRSAが分離されることが多く,200検体中37%で複数の細菌が分離され,医原的な要因が強いと思われるので,複合感染を考慮した適切な抗生剤治療が必要である.それとともに,体位変換や早期離床などの理学的療法や呼吸管理が要求されるが,術後肺炎のrisk factorを持つ高齢,肥満,COPDなどの症例では,術前からの呼吸訓練などの予防的処置が重要である.
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