文献詳細
臨床報告・1
上行結腸黄色肉芽腫の1例
著者: 杉本健樹1 荒木京二郎1 松浦喜美夫1 古屋泰雄1 緒方卓郎1 園部宏2
所属機関: 1高知医科大学第1外科 2高知医科大学第2病理
ページ範囲:P.511 - P.514
文献概要
黄色肉芽腫は1935年,Oberling1)によって初めて報告された比較的稀な腫瘍で,後腹膜を中心に種々の臓器での発生が報告されている.しかし,消化管に発生するものはきわめて少なく,われわれが検索し得た本邦報告例は5例であった.また,その病因については炎症性偽腫瘍,組織球由来の真性腫瘍,脂質代謝異常に関連したものなどの諸説がある.
今回われわれは,上行結腸と腸間膜の接合部に発生し,臨床病理学的に炎症性偽腫瘍と考えられた症例を経験したので報告する.
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