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カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・17 胃・十二指腸
胃粘膜癌に対する腹腔鏡下胃局所切除術—Lesion lifting法の手術手技
著者: 大上正裕1 大谷吉秀1 吉田昌1 星屋泰則1 桜井嘉彦1 林憲孝1 石塚裕人1 熊井浩一郎1 久保田哲朗1 北島政樹1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科
ページ範囲:P.533 - P.541
文献購入ページに移動近年,内視鏡検査や内視鏡的超音波プローブなどを用いて早期胃癌の術前の深達度診断もかなり正確に行えるようになってきた1-3).これらにより粘膜癌と診断されたものに対しては,過去の胃切除例の検討から,病変の形状や大きさよりリンパ節転移の可能性のほとんどない症例群の選択が可能となってきている1,4).これらリンパ節転移の可能性がほとんどないと判断された粘膜癌に対して,教室では1992年3月より根治性,低侵襲性,臓器温存性を併せ持つ新しい治療法として積極的に腹腔鏡下手術を導入している.病変の部位により lesion lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術5,6)と腹腔鏡下胃内粘膜切除術7-9)の2種類の手術法を使い分け,これまでに42症例に対して良好な手術成績を得ている.
本稿では,このうちlesion lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術の手術手技について症例の腹腔鏡写真を用いて紹介する.
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