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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻6号

1996年06月発行

文献概要

特集 外科医に必要な整形外科の知識 Ⅱ.症状別にみた鑑別診断の要点

3.膝関節の腫脹

著者: 戸松泰介1

所属機関: 1東海大学医学部附属大磯病院整形外科

ページ範囲:P.729 - P.733

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 膝関節の腫脹には,大別して関節液の貯留,関節滑膜・関節包の腫脹,関節周辺組織の腫脹に分かれる.関節液の貯留がある場合は吸引し,その性状を観察する.非炎症性疾患では関節液は比較的透明で,滑膜の腫脹もない.慢性関節リウマチ,リウマチ性関節炎,結晶性関節炎などの非感染性炎症性疾患では,滑膜肥厚と関節液の貯留がみられ,関節液も混濁がみられる.感染性疾患では,関節液中の好中球の占める割合が高いのが特徴的である.外傷に起因した関節血症では,脂肪滴の混入の有無により骨傷の有無を判断する.スポーツ外傷によるものは,前十字靱帯損傷の可能性が高いので注意が必要である.非外傷性のものでは血友病,絨毛結節性滑膜炎,血管腫,特発性滑膜出血などを考慮に入れて診察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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