文献詳細
特集 外科医に必要な整形外科の知識
Ⅲ.外来診療のポイント
文献概要
いわゆる五十肩とは「中年以降に肩関節周辺組織の退行性変化を基盤として明らかな原因がなく発症し,肩関節の疼痛と運動障害を主徴とする疾患群であり,自然治癒するもの」として捉えられている.その病態は現在,(1)腱炎—肩峰下滑液包炎,(2)上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎,(3)癒着性肩関節包炎,であるとされる.五十肩の診断に際しては,その病態の的確な把握と他の有痛性あるいは運動障害をともなった肩関節疾患との鑑別が必要である.そして,五十肩の治療の主眼は疼痛と筋痙縮による運動制限を改善し,関節包や滑膜の癒着,さらに筋萎縮の発生を防止して関節拘縮の改善をはかることにある.
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