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特集 外科医に必要な整形外科の知識 Ⅲ.外来診療のポイント
5.ばね指
著者: 戸松泰介1
所属機関: 1東海大学医学部附属大磯病院整形外科
ページ範囲:P.757 - P.759
文献購入ページに移動 ばね指は手指の屈筋腱が靱帯性腱鞘部(A1pulley)で引っ掛かり,無理に仲ばすことで弾発と疼痛を生ずる疾患で,主に2歳以下の小児と50歳前後の中年女性に多くみられる.小児例は自然治癒がみられ,保存的治療も有効である.5歳頃まで観察して治癒のみられないものには手術が考慮される.成人例では,初期にはステロイドの局注などの保存的治療が試みられるが反応しない場合も多く,外科的治療が選択される.手術は開放性の腱鞘切開を行い,再発防止のため一部切除する.特殊な切腱刀を用いて皮下腱鞘を切開する方法もあり,局所の解剖と経験を積めば患者の負担も軽く,よい方法である.リウマチなどで腱滑膜の増殖が予想される例や協力の得難い小児例には,開放性の治療法を選択したほうがよい.
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