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特集 外科医に必要な整形外科の知識 Ⅲ.外来診療のポイント
6.腱鞘炎
著者: 堀内行雄1 高山真一郎1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科
ページ範囲:P.761 - P.764
文献購入ページに移動 短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が伸筋腱第一区画を通過する部位に生じる狭窄性腱鞘炎をドケルバン病という.その部には解剖学的変異がしばしば認められ,両腱の間に隔壁が存在することが本症の発症や治療のうえで大きな意味を持つ.診断はFinkelseinテストが陽性であれば容易であるが,治療に際しては注射液を注入する際も手術をする際もこの隔壁に注意をしなければならない.急性化膿性滑膜性腱鞘炎は“とげ”などの比較的軽微な外傷で生じる.特に母指と小指は解剖学的関係で手根部まで容易に化膿が波及するので注意しなければならない.また,化膿性腱鞘炎と鑑別を要するものとして,石灰沈着性腱炎と轢音性腱鞘炎などがある.
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