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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床外科交見室

急性腹症という用語

著者: 川満富裕1

所属機関: 1獨協医大越谷病院小児外科

ページ範囲:P.780 - P.781

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 急性腹症という用語は,日本外科学会の外科的疾患用語集に収録されていない.Acute abdo-menという英語の訳語とされているが,その由来が明らかではなく明確な定義が下せないからだと思われる.かつて,この英語はイレウスの別称とされ訳語がなかった(日外会誌11:379,1910).その後,急性腹内疾患(日外会誌22:501,1921),急性腹部内臓器疾患(グレンツゲビート3:995,1929),腹部急性症(日外会誌38:482,1937),急性腹部症(日本外科全書21巻,1954)などと訳されるようになり,急性腹症という訳語は第二次世界大戦後になって文献に現われる(外科15:400,1953).この急性腹症が訳語として現在に定着した.
 Acute abdomenという英語をはじめて用いたのはコープ(Zachary Vincent Cope,1881〜1974年)だという記述が散見される.しかし,それはコープではなくバトル(William Henry Battle,1855〜1936年)だと主張したい.これが本稿の主旨である.[注:Copeは,Coleと誤植されたことがある(Med Clin N Am 70:1093,1986).]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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