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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻7号

1996年07月発行

特集 図解 成人鼠径ヘルニア手術

Bassini法,Shouldice法

著者: 前田昭二1

所属機関: 1前田外科病院

ページ範囲:P.843 - P.849

文献概要

 Edoardo Bassini(1844)は従来の鼠径ヘルニア手術では術後に脱腸帯の装着が必要であったため,新しい手術法を考案した.一方,米国ではMarcy H.O.(1871)が内鼠径輪を閉鎖する手術を行い,横筋筋膜を利用する手術法のさきがけとなった.Marcy手術は内鼠径輪のみを閉鎖するもので,鼠径管後壁の菲薄な症例には不適当であったが,Bassini手術は鼠径管後壁全長を切開し,内腹斜筋,腹横筋,横筋筋膜よりなる三層を鼠径靱帯に縫着する強固な術式であった.しかし,Bassini法は次第に普及するにつれて本来の形を変え,欧州各国と米国ではかなりの差異が術式の細部にみられるのが現状である.また,その後Shouldice法,Mizrachy法なども考案されたが,原理的にBassini手術から脱却しているものはないといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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