icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻7号

1996年07月発行

臨床外科交見室

医者への処方箋

著者: 青木孝文1

所属機関: 1公立甲賀病院外科

ページ範囲:P.894 - P.894

文献概要

 この数年間で,手術は低侵襲化と縮少化に向かって発展し,新しい手術器具により様々な手術術式が編み出されている.今や腹腔鏡手術が出来なければ,外科医として時代遅れの老人扱いをされかねない雰囲気である.腹腔鏡手術の普及は,かつてのCTのそれと同様である.その手術術式による恩恵を考えれば,患者の受ける苦痛や負担が非常に少なく,これは当然で歓迎すべき事である.
 けれども本当に医者や看護婦は,患者の苦痛の除去に真剣に取り組んでいるのだろうか?いかに新しい手術術式を取り入れても,術後の苦痛を改善しなければ,画竜点晴を欠く結果になってしまう.病棟の職員一同が『術後の疼痛を我慢させない』という認識を持ち,いかに疼痛を積極的に改善していくかを考える必要がある.例えば,苦痛の多い胃管が不要だと論文に示されても,無くす事ができない.また術後の鎮痛剤の筋注は,医者の指示があるとはいえ,看護婦も習慣により日常的に行っている,胃管や筋注がどれだけ苦痛を与えるかを,まともに考えていない.なかには「傷の治りが悪くなる」と言って,鎮痛剤を必死で我慢させていることもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら