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文献詳細

雑誌文献

臨床外科51巻8号

1996年08月発行

文献概要

特集 直腸癌に対する肛門機能温存手術の実際

直腸癌に対する直腸鏡下外科手術

著者: 金平永二1 大村健二1 疋島一徳2 森下実1 宇野雄祐1 渡辺洋宇1

所属機関: 1金沢大学医学部第1外科 2南ヶ丘病院外科

ページ範囲:P.975 - P.981

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 経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)による直腸癌24例の手術成績を報告する.対象は[m]10例,[sm1]6例,[sm2]1例,[sm3]1例,[mp]6例であった.腫瘍最大径は1.0〜8.5cm,平均3.05cmであった.手術時間は30〜180分,平均80.75分,術中合併症は腹腔内穿孔が1例であった.4例に追加根治術を施行した.内訳は[sm1ly1]1例,[sm2]1例,[mp]2例であった.ほとんどの患者は疼痛を訴えず,術後第1病日より歩行可能であった.重篤な術後合併症は経験していない.経過観察期間は最長3.1年,平均1.2年であった.[mp]1例が90歳時に他病死した。他の症例は姑息例を含め全例再発なく,良好なQuality of lifeを享受している.
 TEMは安全かつ低侵襲で,優れた機能温存性を有する.直腸癌の治療体系に有用な選択肢として位置づけられるものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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