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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻10号

1997年10月発行

文献概要

特集 食道癌診療のトピックス

食道癌の手術補助療法—ネオアジュバント・術後補助療法

著者: 安藤暢敏2 飯塚紀文1 石田薫1 井手博子1 渡辺寛1 篠田雅幸1 多幾山渉1 小澤壯治2

所属機関: 1JCOG食道がんグループ 2慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1299 - P.1306

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 食道癌に対する手術補助療法は本邦では術後に用いられることが多く,JCOG食道がんグループが行った無作為化比較試験の結果,術後放射線療法と術後化学療法(CDDP/VDS)の生存率の差は認められなかった.3領域郭清を含む開胸開腹根治手術への術後化学療法(CDDP/VDS)による生存率の上乗せ効果は認められなかった.一方,ネオアジュバント療法,とくに術前補助化学療法や化学放射線併用療法は欧米において早くから試みられてきたが,大規模な第Ⅲ相試験は未だ行われず,予後改善効果は未だ不明である.化学放射線併用療法によるdownstaging後に切除可能となった高度進行癌例を経験できるようになり,治療戦略として期待がもてる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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