icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻10号

1997年10月発行

メディカルエッセー 『航跡』・14

カナダ横断30日間講演旅行(1)—バンクーバーからカルガリーへ

著者: 木村健1

所属機関: 1アイオワ大学医学部外科

ページ範囲:P.1310 - P.1311

文献概要

 成田発のカナディアンパシフィック航空でバンクーバーに着くとグラハム・フレージャー博士夫妻が出迎えてくれた.1983年の9月初旬のバンクーバーは,まるでニッポンの11月のような気候であった.ここカナダの西の端から東のハリファックスまで5,000km,1か月に及ぶカナダ横断講演旅行の始まりである.丘の上からバンクーバーのダウンタウンを見下すホテルのペントハウスが予約してあった.最上階にあるペントハウスは,特別なキーをエレベーターの鍵穴に差し込まない限り到達できない仕組みになっている.降りたところがペントハウスのフロントになっていて,どこかから監視しているのであろう,その前に立つと金髪の美女が「ドクターキムラ,ようこそいらっしゃいませ」と名前を呼んで迎えてくれた.案内された部屋は特別見晴しの良いスイート.スタンダードの部屋の三倍くらいのスペースである.さぞやルームチャージも高かろうと思ったが,フレッド・マクロード講演に招かれた講師のカナダ訪問にかかる費用は,すべてマクロード家の家計で賄われると聞かされ安心した.バンクーバーの小児外科医たちのお世話になっては申し訳ないと思ったからである.
 バンクーバーでホスト役をしてくれたグラハムは,当時ブリティッシュコロンビア(BC)小児病院の外科部長であった.そのグラハムの案内で小児病院を見せてもらった.北米およびヨーロッパでは多くの小児病院の建設運営は地域住民の浄財に頼っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら