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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻10号

1997年10月発行

文献概要

私の工夫—手術・処置・手順・36

—胃噴門粘膜癌に対する経口的内視鏡—観察下胃内手術

著者: 小畑満1 永合正浩1 石田孝雄1

所属機関: 1中野総合病院外科

ページ範囲:P.1317 - P.1317

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 胃噴門粘膜癌に対しては大橋らの考案した腹腔鏡下胃内手術が施行されているが,トロカールは最低3本必要であり,病変の食道側の切除線の確認は,腹腔鏡のみの観察では不十分で,胃内視鏡を併用せざるをえない.そこでわれわれはモニターを工夫し,胃内の観察は経口的に挿入した胃内視鏡で行い,胃内に挿入すべきトロカールは2本のみで胃粘膜切除術を施行したのでその方法を紹介する.
 手術は,全麻下に経口的に胃内視鏡を挿入し,胃内に送気した後,2本のトロカール(バルーン付,5mmと10mm)を前庭部前壁より挿入する(図1).この際,直視下で胃壁を切開しトロカールを挿入すると容易である.2本のトロカールは,胃内で鉗子同士が交錯しないように2cm以上距離を離して挿入する.次に経口的に挿入した胃内視鏡で病変を観察する.病変が噴門部にあるため,内視鏡を胃内で反転させて観察することになり,実際の鉗子の出てくる方向の天地や左右が画面上で逆転し操作上馴れを必要とする.そのため,モニター1台は上下を反転させたり,モニターの対側に鏡をおき画面の鏡面像を作って順方向となるように工夫した.その後はトロカールから挿入した把持鉗子で病変を牽引し,エンドシザースを用い辺縁の正常粘膜を約1cm付けてゆっくり切除して行く.図2は,固有筋層の見える層で病変部を切除しているところであるが,経口的胃内視鏡が術野の邪魔にならないように,反転する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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