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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 外来診療・小外科マニュアル Ⅴ.腹部・腰部

61.縫合糸膿瘍

著者: 島津元秀1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.166 - P.167

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疾患の概念
 筋膜,皮下組織などを縫合した糸を中心に生じる細菌感染であり,皮下に膿瘍を形成し,皮膚創瘢痕部につながる瘻孔から膿を排出する.原因としては,①異物としての縫合糸の刺激性,②汚染された縫合糸,③術中の汚染,④局所の虚血,などが原因と考えられている.ほとんどが絹糸によるものであり,人工合成糸とくにモノフィラメント糸では発生頻度は少ない.通常,術後1〜2週間で発症することが多いが,ときに数か月あるいは1年以上経過してから生ずる遅発性のものもある.縫合糸が自然排出されることもあるが,原因となっている感染糸が残存する限り,瘻孔は閉鎖せず治癒しない.慢性に経過すると,縫合糸の周囲に炎症性肉芽腫を形成し,Schloffer腫瘍と呼ばれる有痛性腫瘤となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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