文献詳細
文献概要
特集 外来診療・小外科マニュアル Ⅶ.尿路・性器
81.精巣炎,精巣上体炎
著者: 中島淳1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.218 - P.219
文献購入ページに移動疾患の概念
急性精巣上体炎は前立腺などからリンパ行性に感染が波及することもあるが,精巣上体炎のほとんどは精管を介しての逆行性感染であり,尿路感染や尿道狭窄などの基礎疾患の検索や治療が必要である.慢性精巣上体炎は急性精巣上体炎に比べて臨床症状に乏しく,慢性的な硬結や疼痛を認めることがあり,急性精巣上体炎の遷延例や結核性精巣上体炎などである.精巣炎は前立腺炎や精巣上体炎に続発することもあるが,ほとんどは流行性耳下腺炎による精巣炎である.流行性耳下腺炎の約15%に精巣炎がみられ,発病後5日目くらいに発症し,70%が片側性とされる.半数の症例でさまざまな程度の精細管萎縮を起こし,約25%は造精機能の低下をみるが内分泌機能は保たれる1).
急性精巣上体炎は前立腺などからリンパ行性に感染が波及することもあるが,精巣上体炎のほとんどは精管を介しての逆行性感染であり,尿路感染や尿道狭窄などの基礎疾患の検索や治療が必要である.慢性精巣上体炎は急性精巣上体炎に比べて臨床症状に乏しく,慢性的な硬結や疼痛を認めることがあり,急性精巣上体炎の遷延例や結核性精巣上体炎などである.精巣炎は前立腺炎や精巣上体炎に続発することもあるが,ほとんどは流行性耳下腺炎による精巣炎である.流行性耳下腺炎の約15%に精巣炎がみられ,発病後5日目くらいに発症し,70%が片側性とされる.半数の症例でさまざまな程度の精細管萎縮を起こし,約25%は造精機能の低下をみるが内分泌機能は保たれる1).
掲載誌情報