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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻13号

1997年12月発行

文献概要

特集 血管系病変と腹部消化器外科

上腸間膜静脈血栓症

著者: 石井貴士1 島田長人1 柴忠明1

所属機関: 1東邦大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1543 - P.1547

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 上腸間膜静脈血栓症(mesenteric venous thrombosis)は古くは腸間膜血管閉塞症と称された疾患群の1つで,動脈血栓症や塞栓症に比較して稀な疾患である.かつては原因不明例が多かったが,最近ではアンチトロンビンⅢ,プロテインC,プロテインSなどの欠損症や分子異常症などの先天性血液凝固線溶系異常が成因の1つとして注目されている.本症は早期診断が困難であり,急性腹症として開腹され,多くは小腸大量切除などの外科的治療を余儀なくされているのが現状である.近年,画像診断やinterventional radiologyの進歩により早期診断および治療が可能となりつつあるが,再発率も比較的高く,長期にわたる経過観察が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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