icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻13号

1997年12月発行

文献概要

特集 血管系病変と腹部消化器外科

破裂性腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤

著者: 益子邦洋1 犬塚祥1 辺見弘2

所属機関: 1日本医科大学附属千葉北総病院救命救急部 2国立病院東京災害医療センター

ページ範囲:P.1571 - P.1577

文献購入ページに移動
 腹部大動脈瘤や腸骨動脈瘤は無症候性,症候性または切迫性,破裂性の3つに分けられ,さらに破裂性のものは漏出性と真性破裂に分けられる.破裂性の場合の三徴として,腹痛または腰背部痛,腹部の拍動性腫瘤,ショックが知られている.ショック例では緊急血液検査と胸・腹部単純X線撮影,腹部超音波検査のみを迅速に行い,一刻も早く外科的治療を開始することが大切である.手術では迅速な中枢側遮断がポイントであり,横隔膜脚部や下行大動脈での一時的遮断も時には有用である.術後は多臓器不全,結腸虚血,下肢血栓塞栓症,対麻痺,abdominal compartment syndromeなどの合併に注意して全身管理を行わなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?